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GeoGebraコマンド辞典

GeoGebraの全コマンドを分かりやすく解説

beta( ) - ベータ関数・下側不完全ベータ関数

定義済み関数

beta( <式a>, <式b> )

式a, 式bに対して、ベータ関数

f:id:usiblog:20170218053620p:plain

の値を計算する。

なお、

f:id:usiblog:20170218053705p:plain

はガンマ関数である。ガンマ関数については、gamma( )を参照。

ベータ関数の定義から、beta(a,b)と同値な関数として、以下を挙げることができる。

gamma(a)*gamma(b) / gamma(a+b)

Integral[ x^(a-1)*(1-x)^(b-1), 0, 1 ]

また、ガンマ関数の積分表示にまで立ち返れば、以下の関数もbeta(a,b)と同値である。

Integral[ℯ^(-x) x^(a - 1),0,∞]*Integral[ℯ^(-x) x^(b - 1),0,∞] / Integral[ℯ^(-x) x^( (a+b) - 1),0,∞]

例1

数値a=2, b=3を所与として、

beta(a,b)

は、数値0.083...

を返す。

f:id:usiblog:20170218054447p:plain

コメント1.1

beta(a,b)と同値の関数

gamma(a)*gamma(b) / gamma(a+b)

は、数式ビューにおいて厳密な評価による計算が可能である。

f:id:usiblog:20170218054627p:plain

また、積分表示

Integral[ x^(a-1)*(1-x)^(b-1), 0, 1 ]

は、数値0.083...を返すほか、グラフィックスビューに計算対象の領域を図示することができる。

f:id:usiblog:20170218055031p:plain

f:id:usiblog:20170218055039p:plain

なお、積分表示により作成した数値オブジェクトは、引数a,bがともに1以上でなければ、定義されない。

コメント1.2

CASでは、厳密な評価、数値的評価の両方を利用できる。

f:id:usiblog:20170218055144p:plain

 

例2

beta(a,b)は、aまたはbが複素数である場合には、エラーを返す。

例えば、

z_1=2 + 3ί, z_2=3 + 4ίを所与として、

beta(z_1, z_2)

は、エラーを返す。

f:id:usiblog:20170218055737p:plain

コメント2

CASでは、厳密な評価、数値的評価ともに「?」を返す。

f:id:usiblog:20170218055949p:plain

積分表示

Integral[ x^(z_1-1)*(1-x)^(z_2-1), 0, 1 ]

も、厳密な評価、数値的評価ともに「?」を返す。

f:id:usiblog:20170218060200p:plain

ガンマ関数の積分表示まで立ち返って、

Integral[ℯ^(-x) x^(z_1 - 1),0,∞]*Integral[ℯ^(-x) x^(z_2 - 1),0,∞] / Integral[ℯ^(-x) x^( (z_1 + z_2) - 1),0,∞]

を計算すると、厳密な評価では「?」を返すが、数値的評価による計算結果を得ることができる。

f:id:usiblog:20170218061037p:plain

 

beta( <式a>, <式b>, <式z> )

式a, b, zに対して、下側不完全ベータ関数

f:id:usiblog:20170218061922p:plain

の値を計算する。beta(a,b,z)は、0<=z<=1でなければ定義されない(それ以外の値をとった場合については、例2を参照)。

上記の定義から、beta(a,b,z)と

Integral[ x^(a-1)*(1-x)^(b-1), 0, z ] 

は同値である。

例1

数値a=2, b=3, p=0.5を所与として、

beta(a,b,p)

は、数値0.057...を返す。

f:id:usiblog:20170218063220p:plain

コメント1.1

beta(a,b,p)と同値の関数

Integral[ x^(a-1)*(1-x)^(b-1), 0, p ]  

は、数値0.057...を返すほか、グラフィックスビューに計算対象の領域を図示することができる。

f:id:usiblog:20170218063713p:plain

f:id:usiblog:20170218063727p:plain

コメント1.2

CASでは、厳密な評価、数値的評価の両方を利用できる。

f:id:usiblog:20170218063850p:plain

 

例2

beta(a,b,p)は、p<0または1<pの場合には、定義されない。例えば、

beta(2,3,1.5)

は、定義されない。

f:id:usiblog:20170218070042p:plain

コメント2.1

beta(a,b,p)と同値の関数

Integral[ x^(a-1)*(1-x)^(b-1), 0, p ] 

であれば、任意の実数pで定義することができる。例えば、beta(2,3,1.5)と同値の関数

Integral[ x^(2-1)*(1-x)^(3-1), 0, 1.5 ] 

は、数値0.140...を返すほか、グラフィックスビューに計算対象の領域を図示することができる。

f:id:usiblog:20170218070232p:plain

f:id:usiblog:20170218065853p:plain

コメント2.2

CASでは、p<0のとき、beta(a,b,p)には、beta(a,b,0)の計算結果(すなわち0)が割り当てられている。また、1<pのとき、beta(a,b,p)は、beta(a,b,1)の計算結果が割り当てられている。これらは正しい値ではない。

例えば、

beta(2,3,1.5)

の数値的評価は0.083...となり、これはbeta(2,3,1)と同じ値である。

f:id:usiblog:20170218070949p:plain

beta(2,3,1.5)と同値の関数

Integral[ x^(2-1)*(1-x)^(3-1), 0, 1.5 ] 

をCASで計算することで、CASでもbeta(2,3,1.5)の値を求めることができる。これによって、厳密な評価による計算結果を得ることが可能となる。

f:id:usiblog:20170218071404p:plain

 

バージョン情報

Version: 5.0.328.0-webapp (12 February 2017)